Scansnapで「いかに効率良く」本を電子化できるか試行錯誤してみた

Scansnapによる蔵書の電子化、流行ってますね。
私もブームに乗せられて最近購入したスキャン初心者なのですが、既に多くの先人たちがブログや2ch等で様々なノウハウを公開してくださっていて、非常に助かっています。


そこで恩返しというわけではないのですが、自分なりのやり方をここにまとめておきます。
こだわりのポイントは、タイトルにも書いた「いかに効率良く」という部分。
私は所謂サラリーマンで、スキャンに費やせる時間は土日だけです。
そこで、「手間をかけず」「短時間で」本をスキャンするにはどうすればいいか、色々と知恵を絞りました。


スキャン三種の神器。裁断機PK-513、パソコン、Scansnap S1500。

本の電子化、その全工程

ではまず、電子化の工程を確認してみましょう。
ご存知のとおり、本の電子化には、スキャン以外にもさまざまな前/後処理が必要です。

  1. 不要物の除去(オビ、カバー等)
  2. 裁断
  3. スキャン
  4. 画像加工(リサイズ、回転、グレースケール化)
  5. アーカイブ

ざっとあげるとこんなところでしょうか。
で、効率化するために私が考えたのは作業の「均質化」「大量処理」「自動化」です。

◆均質化
なるべく同じ種類の本をまとめて処理しましょう、ということです。判型、ページ数、本の作り(カラーページの有無など)が似通ったものをまとめて処理することで、個別の例外作業を極力減らすということですね。例外作業が多くなると、作業効率が上がりませんし、ミスの元になります。

◆大量処理
単純作業に関していえば、一つの作業に集中する方がスピードアップが図れます(工場のライン業務とまったく同じ考え方ですね)。なので、上記の5工程を1冊ずつ処理するのではなく、なるべく沢山の本をまとめて処理してしまおう、というものです。

◆自動化
一度スキャンして電子化してしまえばしめたものです。ツール等を活用して徹底的に自動化し、なるべく人間の時間を拘束しないようにしましょう。

…なんだか、どこぞの生産現場の「カイゼン」のようなノリになってきましたが、気にせず続けます。

今回のお題


AQUA(全2巻)、ARIA(全12巻) (c)天野こずえマッグガーデン
「均質化」という点で、シリーズ物のコミックや小説は格好の題材です。カバーのデザインや口絵のカラーページの枚数なども揃っているので、作業もはかどるでしょう。
それでは、作業スタートです。土曜日の朝10時から取り掛かったのですが、所要時間も計ってみたので参考にしてください。

1.不要物の除去 10:00〜10:08(8分)

まずはスキャンの邪魔になる本のオビを外します。

また、間に挟まっているしおりやアンケートはがきなども取り除いておきましょう。余計な紙が挟まっていると、ダブルフィードを起こすだけでなく、ジャムが発生し最悪原紙がグシャグシャになってしまう恐れもあります。少し時間をかけても丁寧に見ていきましょう。

次は表紙カバーです。まとめて裁断できるよう、これもまとめて外します。

カバー下におまけの描き下ろしが!ちょっとトクした気分。

この状態で作業完了です。

2.裁断 10:08〜10:27(19分)

さて、いよいよ裁断です。アナログ、かつ不可逆な作業(失敗したらやり直し不可)ということで、ある意味一番神経を使う工程です。

PK-513の場合、LED光でカットラインが確認できるので、まずは本の端に光を合わせ、そこから目盛りを見つつ裁断幅分だけ奥に本を押し込みます。


今回は裁断幅を5mm(13.0→12.5mmまで押し込み)にしました。

同じ判型の本であれば、一回のアジャスト作業で済むので効率的です。なお、今後類似の本をスキャンするときに備えて、セット位置をメモしておくと良いと思います。

あとは運を天に任せて切ります。

裁断後は、切り口面を良くチェックします。裁断幅が足りなくて糊が残ってしまっていると、スキャン時にジャムって悲惨なことになるので、丁寧にチェックしていきます。

特にカラーページや表紙/裏表紙の前後がしっかり糊付けされていることが多いので、要チェックです。

切れてないとこうなります。定規などを差し入れて、そっと糊を剥がしましょう。

切った本は、カバーでくるんで保存します。

これで作業完了です。くれぐれも山に蹴躓いて崩したりしないように。数千枚のページがシャッフルされて、この世の地獄を見ます。

裁断後に残る背表紙…こればっかりは使い道がないので捨てます。南無。

長くなったので、続きます